以前水害に遭った2件の家の換気の違いによる壁内部の傷み具合をお伝えしました。
今回は昨年秋の台風15号と19号の強風に2度にわたって屋根瓦に被害を受けた住宅です。
この現実を多くの方々に知って欲しいと、住宅の持ち主さんが写真を送ってくれました。
アチコチで台風の被害が重なり、屋根工事屋さんが改修に入ってくれたのが
今年の春になってしまいました。
建物の下から見上げたところでは被害の全貌は全く分からず、
せいぜい屋根瓦数枚差し替えればいいのかな、程度の安易な考えでいたようです。
それでもプロは、「今回はしっかり直しておきましょう」とアドバイスしていたようです。
いよいよ瓦を外してみて、瓦屋さんは驚き、呼ばれたご主人は度肝を抜いてしまい、奥さんには現場の惨状を見せないようにしたそうです。
その惨状の写真がこれです。
この写真は崩れかけた小屋ではありません。
○○工法で建てられた立派な気密性のある建物です。
なぜここまでになってしまったのか・・居住部分には換気機能が十分に機能しているようです。
ですが、屋根部分においては換気がなされてなかったようなのです。
屋根換気が不十分はところに、峰の瓦止めが長年の強風にあおられて浮き上がり、
そこから長い時をかけて雨水が入り込み暑さや湿気から瓦下地材が腐り始めた。
更に、強風にあおられ瓦がひび割れ換気のない状態で屋根下地材が蒸されてしまった。
そんな感じでしょうか・・。
今回台風でたまたま屋根瓦が損傷し、その実態が表に現れることになったと想像されます。
幸いにも全て火災保険(住宅総合保険)で対処でき、屋根部分は全てきれいに葺き替えが済み、
安堵した声が届きました。
あの屋根の下で、天井を見ながらよく平気で寝ていたものだ、と今更ながらゾッとしたようです。
近年シックハウス症候群により建物の換気が義務付けられるようになりましたが、
一般的な換気扇を廻すだけでは、冬の室内は寒くてたまりません。
そこで建築基準法だけはクリアしているものの、実際には換気扇を廻さない事例が多いようなのですが、これも家にとっては考えものです。