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2008.07.11 お知らせ

大地の熱を抱きとめる家−北海道新聞平成20年7月サミット特集に掲載されました

1.  北海道新聞のサミット特集

2008年7月に地熱住宅が紹介されました。

 

2008年7月7日~9日(3日間)、

北海道の洞爺湖で

地球温暖化などをテーマとしたサミット

 

【北海道洞爺湖サミット】が開催されます。

そのサミットを特集した北海道新聞に、

地熱住宅が取り上げられました。

 

これは、報道陣向けに配布する

特集号なんですが、

 

地熱住宅が世界中の人たちに

配信されることになったんです。

 

この特集号は、

海外メディア向けでもあるので、

英語と日本語が併記されてあります。

 

そして、この特集号を開くと、

一番はじめのページに

『アイヌの伝統民家』が掲載されているのです。

 

地中熱活用 チセの家

一部記事・・・大地の熱を抱きとめる家

 

2. よみがえる歴史の知恵-チセ~アイヌ民族の伝統住宅-

 

丸太を組み立て、

ササやカヤなどの植物をふいただけの住居チセで、

アイヌ民族は長い歴史を歩んできた。

 

晩秋から初春にかけて、

外は氷点下に冷え込み、

厚い雪に覆われるが、

チセの中は快適とさえいえる住空間で、

体感温度は20度を超えた。

 

復元したチセに泊まりながら、

快適さの秘密を探った研究者がいる。

 

北海道教育大学旭川校の

元非常勤講師・宇佐美智和子さん

(エコシステム住宅普及会員)だ。

 

旭川郷土博物館(現旭川市博物館)の依頼で、

地熱を生かし、雪を断熱材とした

アイヌ民族の生活を読み解いた。

 

3. 『温かさ』の源

 

最高気温が0度を下回る

2月の17日間、宇佐美さんは日中に限り、

むき出しの土間でまきを燃やして

体感温度の変化をみた。

 

室温は上がり続け、

外気温が氷点下10度だった1

4日目の午後5時半には、

土間の上50センチで6.5度、

壁面は炉から2、3メートル離れても10度を超えた。

 

体感温度を示す黒球温度計は20度を指した。

 

気流の少ない室内の体感温度は、

壁などからの放射熱と室温の平均で求められる。

 

実験に使ったチセでの放射熱は33.5度。

 

室温が低いのに感じる「温かさ」の源だった。

 

もう一つのポイントは、地熱と、

土間の上に植物を敷き詰めた床の構造だ。

 

実験を始めて3年後、

チセの中に床を再現すると、

外気温とともに変動していた

土間の表面温度が2度前後で安定した。

 

地下10センチの温度は、

炉でまきを燃やさない場合より7度も高かった。

 

植物材の敷物が

土間の熱を抱きとめてくれたのだ。

 

実験は冬に限り、

宿泊しない日は日中だけまきを燃やした。

 

アイヌの人たちのように年間を通して

火を絶やさなければ、

炉の熱は地中に蓄えられ、

快適さがさらに増すだろう、

と宇佐美さんはみる。

 

4. 現代建築に

 

千葉の住宅メーカーが

同じ理屈の家を建てている。

 

基礎を含めて完全な外断熱を施すのだ。

 

床下は蓄熱槽として使い、

夏の終わりから日差しで暖められた

室内の空気を床下にためる。

 

冬本番になると、

蓄えられた熱と地熱が家を暖める。

 

夏は逆に、

冷たい地熱が涼しさを運ぶ。

 

チセの知恵は雪を外断熱材、

大地を蓄熱槽として生かすことだった。

 

この現代建築にも同じ考えが生きている。

 

装置のコストは

90平方メートル未満で

約100万円と安くはないが、

 

建築実績は約800棟に上る。

 

人は環境を壊さずには

生きられないとしても、

長い歴史の知恵を借りられる分野は、

まだまだあるはずだ。